南イタリア遠征記
〜グランブルーの青い海と俊輔に逢いたくて〜

☆アグリジェント編☆後編


★意地悪なフランス人?
夕食の前に明日の予定を立てなければ。明日の午前中にはアグリジェントを出発するのだ。
うさこさんがバスの時刻表とにらめっこして、11時のバスに乗れば3時過ぎにはタオルミーナに着くという結論に達する。この時、時刻表を手にしたのに、まったく確認をしなかったダメダメな私。後で後悔することになる。

バスの次はホテルだ。ガイドブックを片手に『ヴィラ・ベルヴェデーレ』に電話をかける。
ここのオーナーはフランス人夫婦らしい。5回コールした後にイタリア語で女性が出た。
英語で「こんにちは。部屋の予約をしたのですが」と言う私。向こうは「ハロー?」と聞き返してくる。「ハロー」ということは英語が通じるはず。もう一度「部屋の予約をしたのですが」と繰り返す私。
しかし、向こうは再び「ハロー?」と聞き返してくる。あら?聞こえていないのかしら? 私も「ハロー?」と聞き直すが、相手は沈黙。そして、いきなり切れた。

もおぉぉぉ何なんだよーーー! これだからフランス人て奴はーーー!!
 
逆上して、今度は『ベル・ソッジョルノ』に電話する。
しかし、電話が「うん」とも「すん」とも言わない。なんか変だぞ。
よく見たら電話線が抜けていた。線を差し込んで再び『ベル・ソッジョルノ』にかける。
電話に出た男性は流暢な英語をしゃべり、明るくてとても感じが良かった。2泊でシングル2部屋、到着時間は5時頃だと告げ、無事に予約完了。やっぱりフランス人よりイタリア人の方が親切だわね。

って、あれ? 良く考えたら『ヴィラ・ベルヴェデーレ』への電話は、線が抜けちゃったから切れたのかしら??? 
妙な濡れ衣を着せてしまって、フランス人の皆さん、ごめんちゃい。



★ホテルのレストランでディナー
夕食はうにさんの旅行記にあるレストラン『Pescatore』に行きたかったけど、疲れ果てていて出かける気力がない。拠って、ホテルの離れのレストランで食べることにした。
4星ホテルのレストランだから、きちんとした格好をしないといけないかしら? でも、寒いからスカートなんて履きたくない。ええい、ジーンズで行っちゃえ!

エントランスを出て正面にあるレストランに入る。
照明を抑え気味の落ち着いた雰囲気の店内は、右手にちょっとしたホールがあり、その奥にゆったりとした間隔でテーブルが並んでいる。見たところカジュアルな服装で着ている人が多い。ジーンズでも全くOKだ。

席に通されて早速メニューと格闘開始。給仕係のお姉さんが一生懸命説明してくれるんだけど、4星ホテルなのに英語はイマイチ。
これはイタリア滞在中どこでもそうだった。フロントには流暢な英語を話す人が配置されているけど、レストランで働く人たちは「それなり」の英語しか話せない。もう少し勉強して、せめて魚の種類を説明できるくらいになってくれ〜。

ワインはメニューが英語かイタリア語かの問題ではなく、値段の問題で選択の余地なくハウスワインを注文。一度でいいから一番高いワインを注文してみたいわ。
うさこさんも私も女性にしては食べる方だけど、さすがにイタリア料理のフルコースは食べきれないので、前菜とリゾットと魚料理を各一皿オーダーして2人でシェアしたいと申し出た。

そうしたら、お姉さんはあからさまに嫌な顔をして、前菜だけは2皿オーダーしなさいと説得してきた。
仕方なく受け入れたけど、出てきた前菜は巨大なアボガドにホタテとエビがたっぷり入った魚介類のソースが添えてある。初っ端からボリューム満点だ。メイン料理まで全部食べ切れるかしら……。

しかし、そんな心配は杞憂に終わった。アボガドの前菜を一口食べた途端、「う〜〜〜」と唸りながら足をバタバタさせる私。正面のうさこさんも同じリアクション。

うまい!! これよー! こういう美味しいイタ飯が食べたかったのよー!
たくさん歩いて空腹だったこともあり、二人ともあっという間に平らげてしまった。次に出てきた魚介のリゾットは、エビの風味が効いていて、これまたうまい!!

美味しいものを食べると会話も弾む。昨夜のディナーとは打って変わり、とても饒舌な私達。
ワイン片手におしゃべりに花を咲かせる。ああ、なんて楽しいのかしら。

メインの魚のグリル(イサキかしら?最後まで何の魚か分からなかった)の皿には、「これでもか!」というくらいの付け合わせが載っていて一瞬絶句。しかし二人して根性で食べ尽くした。デザートを断ったのは言うまでもない。ご馳走様でした!

この夜は、ただひたすら幸せだったのだけど、チェックアウト時にディナーの明細を見て二人とも青くなった。やはり4つ星はお高いわ〜。美味しかったから許すけど。


部屋に戻って窓を開けると、そこにはライトアップされた神秘的な神殿が!
う〜ん、ロマンティック! 女二人で眺めているのが、ちょっぴり悲しいわ〜。〔写真19〕



★アグリジェントの朝ごはん
翌朝は6時半頃に目が覚めた。既に起きていたうさこさんが窓を開けると、そこには朝靄の中に浮かび上がる幻想的な神殿が! 眠気も一気に覚める美しさ!
夜が明け切らないうちに急いで写真を撮るうさこさん。
やがて完全に明るくなってライトが消されたので、朝食を食べに行くことにした。〔写真20、21〕

昨夜のレストランに行くと朝日が眩しいくらいに差し込んでいて、夜とは随分雰囲気が違う。窓際の明るい席に陣取り、はしゃぎまくって写真を撮る私達。給仕係の男性も親切に撮影会に協力してくれる。ここの従業員は皆フレンドリーだなぁ。

朝食はパンもシリアルもフルーツも種類が豊富。コーヒー類はオーダーを取りにきて、席まで運んでくれる。味もサービスも大満足。もう一度アグリジェントに来ることがあったら、迷わずここのホテルに泊まるぞ!〔写真22〜24〕



★考古学博物館
気持ちの良い朝の空気を満喫しながら、ホテルから数分の距離にある『国立考古学博物館』まで歩く。
ここアグリジェントでも道行く車に乗っている人々がお辞儀をしてくれる。(だから違うって!)

この博物館はとても近代的な建物なのだけど、隣接したノルマン時代のサン・ニコラ教会、同じ敷地内にある紀元前1世紀に造られた民会議場(後に野外劇場に転用)、紀元前2世紀に造られた小さな神殿とは、不思議と何の違和感もなく共存している。

それらの遺跡をぶらぶらと見学してから開館時間ちょうどに入場券を買いに行ったのだけど、ブースには誰もいない。日本では考えられないことだけど、こっちは開館時間になってから、ようやく準備を始めるみたいだ。何事ものんびりしている。

私達の姿を見て慌ててブースにやってきたお姉さんから入場券を買って中に入る。ガラス張りの中庭から光が入ってくる館内はとても明るく、新石器時代からローマ時代までの様々な出土品がセンスよく展示されている。

神殿の軒に付いていたライオンの頭の形をした樋口や、女神の頭部を模った壷(ピッチャー?)など、ちょっと可愛くて興味深いものがわんさかあるけど、やはり目玉はテラモーネのオリジナルである。
2階まで吹き抜けになった展示室の天井から床まで一杯に、巨大なテラモーネが縦に配置されている。マジでデカイ。
同じフロアにはテラモーネが組み込まれていたジュピター神殿の模型があって、往昔の全容を想像することが出来るのだけど、これを見るとジュピター神殿がいかに大きかったか驚いてしまう。
だって、この巨大なテラモーネがほんの一部でしかないのだ。残念だなぁ。この神殿がコンコルディア神殿並に良好な状態で保存されていたら、そのスケールの大きさをこの目で確かめることが出来たのに。〔写真25〜27〕



★アグリジェント〜カターニャ
1時間以上かけて館内をゆっくり見学して博物館を出た。名残惜しいけど、そろそろタオルミーナへ向けて出発しなければ。
アグリジェントも楽しかったな。まるで古代ギリシャに迷い込んだかのような錯覚を覚える不思議な街だった。パレルモではイスラムの雰囲気を味わえた。シチリアって色々な顔を持っている。タオルミーナでは、どんな顔を見せてくれるんだろう。

再びタクシーでバスターミナルへ行き、カターニャ行きのプルマンのチケットを買う。
バスによってチケットは車内販売だったり、オフィス販売だったりするので、事前に確認しないといけない。って、偉そうに書いているけど、チケットを買いに行くのはうさこさんで、私は例によって荷物番。ほとんど役に立たない奴である。

カターニャ行きのプルマンは混んでいた。というか、徐々に混んできた。
バス停に小まめに停まり、停まるたびに乗客が増えていった。しばらくすると車内の空席は一つもなくなった。みんな体がデカイし、大きな荷物を抱えているからギュウギュウである。
カターニャには空港があり、パレルモと並んでシチリアの玄関となっているので、乗客が多いのは仕方ないのだけど……。それにしても息苦しいよ〜。(涙)

約3時間の道中でトイレ休憩はゼロ。膀胱の限界が近付いたとき、ようやくカターニャのバスターミナルに到着。さて、今度はタオルミーナ行きのチケットを買わなければ。再び私が荷物番になり、うさこさんがバス会社を探しに行く。毎度毎度すんまへん。



<うさこのオフサイド>
アグリジェントに続き、バスのチケット調達となると俄然使命感に燃えてしまう私。
というか、この程度のイタリア語のやりとりが何となく楽しいのだ。これ以上複雑になると手も足も出ないが、なんどもたずねていると度胸もついてくる。
もともと外国人相手の仕事(といっても外国語をしゃべるわけではありません)をしているせいか、それとも生来の恐いもの知らずなのか??

タオルミーナ行きのバス停が確認できたので、すぐにSAISの青い看板を探した。
さいわい、次の角にそれらしい代理店がある。結構大きな店なので信頼できそうだ。
またもやリーメイさんに荷物をお願いして店に突進。

予想通り、窓口も大きくて立派だし、ちゃんと係のお兄さんも二人いる。
やれやれ、店が立派だと、おじちゃんじゃなくてイケメンのお兄さんなのね。

アクリル板で仕切られた窓口に向かって「タオルミーナまで2枚!」すると、ディミケーレ似のつんととりすましたお兄さんが「タオルミーナ、(次は)4時ね」。

え、ちょ、ちょっと待って。次は2時半でしょ。まだ10分あるわよ。
「4時ーーー??」と聞き返すと、「そ、4時よ〜」鼻で笑っている。

「うそ〜、ちょっと時刻表見せて!」と、つい日本語でわめいて指差すと、イタリア語が通じなかったと思ったらしく、時刻表の「4時」のところにしっかりと○をつけて差し出した。ほんとだ、前のバスは確かに2時。予定では乗り換えに30分の余裕があったはず……。ひとつ後のバスと見間違えていたらしい。昨日、あんなに確認したのに……。

不覚にもぽかんとアホ面で黙ってしまった私を見て、ディミケーレは後ろの兄ちゃんと顔を見合わせてニタニタ笑っている。
感じわるう〜。出てしまったものはどうしようもないので、4時の切符を2枚買う。

うわ〜、タオルミーナ着が2時間以上遅れだわ〜。
ホテルはなんとか明るいうちに着けそうだけれど、え〜ん、リーメイさんに何と言ってお詫びをしよう……。しおしお。

それにしても失礼な奴ら。人の不幸を笑いおって……。カターニャの印象がどっと悪くなった……。やっぱりあのテの顔は性格悪いのよ!!(自分のうっかりを棚に上げて、人を責めてはいけません)



★カターニャのバスターミナルにて
うさこさんが戻ってきた。カターニャ到着30分後にタオルミーナ行きのプルマンがあるはずだったのに、既に出発した後で、次の出発は2時間後だという。へ? なんで???

どうやらうさこさんが時刻表を見間違えたようだ。
「ごめんなさいね。なんで間違えちゃったのかしら」と平謝りするうさこさん。
いえいえ、任せきりにしないでちゃんとチェックしていれば、こういうことは防げたはず。半分は私の責任である。それに今日はもうバスが無いというならともかく、少し遅れるだけなのだから、気にしないでいきましょう。

とりあえずピッツェリアでパニーニと水を買ってトイレを借り、破裂寸前の膀胱を開放してあげる。
あ〜、膀胱炎になるかと思ったよ〜!

出すものを出してスッキリしたので、店先のテーブル席でパニーニを食べながら時間を潰す。
なかなかナイスなポジションをキープしたと思ったのに、なんと途中で雨が降ってきた。
イヤーン、ここには屋根がないのよ〜。仕方なくスーツケースを引きずってターミナル内の屋根付きバス停に移動。そこで出発時間を待つことになった。

私たちが行ったときにはバス停のベンチにアメリカ人夫妻が座っていたのだけど、旦那様がさり気なく私たちに席を譲ってくれた。見掛けはちょっと粗野な感じなんだけど、なかなかどうしてジェントルマンだわ。
「次のバスがこんなに来ないとはね〜」と4人でぼやき合いながら、ひたすらバスを待つ。そうこうする内にバス停に人が増えてきた。

ここカターニャでも街中で見かける人々は冬の装いだけど、タオルミーナ行きのプルマンを待つ旅行者達はちょっとリゾートっぽい服装をしている。リゾートっぽいどころか、ランニングシャツ1枚のえらい気合の入ったお兄ちゃんもいる。おいおい、いくらなんでも寒いっしょ。

ああ、とってもワクワクするな〜。もうすぐ憧れのタオルミーナだ。
映画『グラン・ブルー』の青い海にようやく逢える!


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