南イタリア遠征記
〜グランブルーの青い海と俊輔に逢いたくて〜

☆レッジョ編☆第三日目☆1




4月24日土曜日。曇り時々雨。

<うさこのループシュート> 朝の会話
今日は早めに行動開始予定なので、7時半に朝食をとりに下のラウンジにおりてゆく。去年と違って、死ぬほど甘いパンもなく、朝食が苦痛というほどではない。
リーメイさんに言わせると卵がないのがさびしいのだとか。確かにポーチドエッグやサラダぐらいあるといいかもね。それに部屋が薄暗いのですっきり目が覚めないと、リーメイさんはぼやいていた。天気が悪いせいもあって、窓際の席も魅力がない。

反対側の部屋の隅に新聞のコーナーがあるので、その横の席に陣取る。ガゼッタデロスポルトは予想スタメンを図で示してくれていて、中央にはヒデの写真入りの囲み記事もある。
レッジーナの所を見ると、俊はやっぱり控えだ。ああ、あのスタメンのアナウンス、もう一度聞きたかったのになあ。というより、リーメイさんやJさんに聞かせてあげたかったなあ。でもこのページおもしろいので、あとで新聞買って来ようっと。

食べ始めた頃、後ろで「おはようございまあす!」と日本語が・・・。びっくりしてふりかえるとなんと水沼さん!!向こうから声をかけてくれたんです。
きゃあ、ちゃんと覚えててくれたんだ。というか、なんて普通の人なのかしら。せっかくなので、お話ししちゃおう。

「昨日の練習、午前中だったんですねえ」
「そうみたいね〜」
「え、水沼さん、いらっしゃらなかったんですか?」
「うん、ボール蹴らないって言ってたしね」
「え、そうなんですか?(俊、どうかしたの?)」
「試合の前々日はボール使わないらしいよ(あ、チーム全員そうなのか、ほっ)」
「じゃあ、よかったね、行かなくても」と私たち。
「水沼さんはいつまでこちらに?」
「パルマ戦見てからね、帰ろうと」
「私たちも。でも、空港閉鎖中ですよね」
「うん、だからいったんカターニャ(シチリア)に行ってからローマへ飛ぼうと思うんですよ。」
「私たちはローマまで列車で行こうかと思ってたんですけど、その手もありますね〜。来る時はどうされたんです?」
「となりの街まで来てね。なんとかいう町」
「あ、ラメツィア・テルメ?そこからバスで?」
「いや、レンタカーで(あ、お仕事ならばそれができるわね)」
「あ、それなら楽でしょう?一時間くらいですよね?」
「それがね〜、ふつうはそれくらいなんだけど、途中の高速が工事中で渋滞しちゃってて〜、ずいぶんかかったの」
「あらあ、たいへんでしたね」
「私たちはパレルモに入ってずっとシチリア回って、メッシーナからフェリーで来たんですよ」
「フェリーってどれくらいかかるの?」
「25分ぐらいでしたね」
「あ、そんなもの?」
そんな話をしてから水沼さんは向こうのテーブルに行かれました。私は後ろ向きで気付かなかったけど、先に食事を済まされて、出て行く時にもあいさつしてくださったそうな。ほんと素敵な方ですよ〜。俊もあんな風になってくれるといいのになあ。住み込みで修行させてもらったら?と言ってやりたい(笑)。



<うさこのドリブル突破> 俊輔捕獲作戦 第2弾
今日は土曜日。試合前日なので、練習は午前中。その後選手たちは前泊のホテルにバスで連れていかれてしまう(笑)。
去年のツアーの経験から、バスに乗る直前は俊輔にサインをお願いするのが難しそうだという気がしていたので、朝、早めに行って練習前に頼んでみることにした。タクシーは昨日9時に来てくれるように頼んである。20分頃にはサンタガタに着いていたいわね。

水沼さんの一行も9時出発だったようで、ロビーでまたお会いしてしまった。私たちのタクシーは9時になっても現れず、心配で海岸通りまで出て待っていたら、先に車で出て行かれた。
あちらも挨拶してくださったので、ちょっと手を振ってお見送りする形に。なんだか同僚みたいで楽しいわ。

何度見に行ってもタクシーは現れないので、フロントから電話してもらう。早く行かないと俊が来ちゃうもの。この日のドライバーはおばちゃんだった。
結局10分近く遅れてホテルを出発。まあ、道が空いていたので今日は10分ぐらいで着きましたけど。1時にまた迎えにきてもらう約束をして私たちは中へ。さすがに来ているのは水沼さんとスタッフさんたちぐらい。

今日はビデオ撮影に三脚を使ってみようといろいろセットしてみるが、なかなか位置と高さが合わない。それに動きに合わせてカメラを振るのにじゃまになりそうで、やっぱりやめた。おとといはずーっとビデオカメラを支えてて腕が痛くなっちゃったけど、もう一回頑張ろう。

10時近くになってもなかなか選手が現れない。みんなやる気あんのかしら??
一番早かったのはファルシー二だったかな。それから、少しずつ選手の車が入ってくる。
みんな奥の駐車場に車を置くと、荷物のカートを引いてクラブハウスへ向かってくる。おなじみのウォームアップスーツ姿だ。
せっかくのチャンスだからと、Jさんも加わって、写真を撮らせてもらう。もっぱら私はカメラマンだったが、メストが登場した時はリーメイさんたちが全然乗り気じゃなかったこともあって、私が撮ってもらった。

そのうち青い車がやってきた。
「あ、あれ俊のかなあ」(昨日も青い車だったし)
でも、目が悪い私はよく見えない。車が横を通過した時、Jさんが「俊輔、いた!」

あ、ほんと!? 来たんだ! 手紙渡したりするし、車のところまで行った方が俊輔のじゃまにならないかも、という気がして、私はすぐさま駐車場に向かって突進。TBSのスタッフも振り切って、ぶっちぎりの1等賞で駐車場に到着。

奥に止めた車から、カートを引いた俊輔がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。3メートルぐらいに近付いたところで「俊輔君、おはようございます」
俊輔、面食らったらしく、つられて言ってしまった、という感じで「あ・・・おはようございます」かすれ声だ。寝起きか?

「あのお、サインいただくの、練習の後の方がいいでしょうか」
なんだか、ぎごちない聞き方になってしまった。

「あ、いいですよ、今」
今度はこっちがちょっと戸惑う。一昨日ほどの愛想はなかったが、不機嫌じゃなかった、と思う。よかった。断られたわけではないのね。とりあえず、忘れないうちにと、2通の手紙を渡す。

「こちらは友達からあずかってきました。それとおととい渡すのを忘れたので私のも・・」
そこへユニを手にしたリーメイさんがやってきたので、お先にどうぞ、とサインを譲る。昨日街のスポーツショップで買った今シーズンのユニだ。
続いてJさんが、なんかのゲームで手に入れたという結構貴重な俊輔のカードにサインしてもらった。そこで終わってしまいそうになって、あわてて私も代表ユニを差し出す。

「あ、私もお願いします。・・・あの・・・その黒いペンで大丈夫でしょうか??」(ほんとはシルバーのと、白のと3種類準備していたのだが、この際贅沢は言っていられない)

「ああ、だいじょうぶっす」
若干めんどくさそうな雰囲気。まじめに考えてないだろ!

リーメイさんにも手伝ってもらってユニを引っ張りながらさらさらとサイン。なんか、向こうでTBSのカメラが回ってるのが気になる。さらに、Jさんのカメラで二人ずつ写真をとらせてもらう。私は図々しく両方にはいってしまった。

ここで、私はどうしても聞きたくて「足、だいじょうぶですか」と聞いてしまう。俊輔はけっこうしっかり、うなずきながら「だいじょうぶです」と答えた。(今回、「だいじょうぶ」を聞くのは3度目だ)
でも、実際は大丈夫じゃなかったんですよね。この時点ではほっとした私たちだったんですが・・・。(涙)

「がんばってください〜」とみんなでせいいっぱい激励。俊輔は軽く会釈して、先を歩いて行ってしまった。そのあと、水沼さんが「ナーカ、ナーカ」とおどけて近付いてきて、俊輔は通路へ向かう角のところでカメラの前でしばらくインタビューを受けていた。

ここまでは、何も暗い要素はなかったんだよね。俊輔自身もそれほど深刻には考えてなかったと思う。
でも、やっぱり痛かったはずだな。この時はシューズは履いていたのだけれど。
水沼さんと話しながら通用口へ向かう俊輔の少し後から、私たちはついて行くような形になった。俊輔たちの向こうにはやはりカメラやスタッフさんが。私も負けじとビデオで追いかける(いつの間に出したんだ??)。途中、何かを説明するように手で示しながら(手にしてたのはさっき渡した2通の手紙でした)、俊輔が駐車場の方を振り向いた。

思わず「あ、こっち見た!」(ちがうよ!)。
そして、門をくぐって行ってしまった。(帰国してから気付いたのですが、実はこの後の正面からの映像がスパサカで一瞬流れたのです。と言っても、水沼インタの前の週の予告編の中でなんですが。そこで私とKさんの手紙も全国デビュー。もっとも、本人たちにしか分からないぐらいほんの一瞬で、スローで見てもあっという間に消えてしまうんですけどね。苦笑)

Jさんはサインしてもらったカードやデジカメの写真を確認して「うれしいなあ」を連発。
ほんと、おとといはレッジョ入りしてたのに安ホテル探しで練習見られず、昨日は午前中の練習だったので間に合わず。
さらに試合にも出なかったので、この時を逃してたらもう俊輔に会えなかったかも・・・。
後でJさんに「うさこさんの突進、速かったですね〜!!(笑)」と言われてしまったぐらい、俊輔の到着を知ってからの私は、駐車場にまっしぐらだったらしい。私も必死だったわよ。
この後の展開を振り返ると、頑張って早く駆け付けてよかったとつくづく思った。



☆俊輔の香り
俊輔の青い車を追ってうさこさんが一目散に駐車場へ走っていったので、私とJも慌てて後を追う。駐車場では既にうさこさんが俊輔を捕獲済みだった。うさこさん、仕事が速い!

「おはようございま〜す!」
明るく元気に俊輔に挨拶する私。まるで「おまえ事務所のスタッフかよ?」というノリ。

俊輔は「あ、、、ゴニョゴニョ」という感じで小さく頭を下げた。後で聞いたらうさこさんも同じような調子で挨拶したそうで、俊輔にしてみれば「なんか朝から変わったテンションの人たちが来た」と思っていたに違いない。Jはとても控えめに「おはようございます」と緊張した面持ちで挨拶していた。

早速昨日購入したユニにサインをお願いする。サインしやすいようにユニを広げると、俊輔はペンを持った右手をちょっと止めて「ここでいいんですか?」と聞いてきた。何も考えず「ハイ!」と答える私。
サラサラとサインする俊輔の繊細な指の動きにうっとりと見とれてしまう。
でも、後から考えたら全然良くなかった。だって背中にサインしてもらっちゃったんだもん。背番号どうするんだよ〜。きっと俊輔も「あとで背番号入れるんじゃないのかな?」と思って聞いてくれたに違いない。ダメだ、朝は脳ミソが半分以上寝ている。(涙)

でもまあ、これはこれで十分に価値があるよね。背番号10もNAKAMURAの文字もないけど、私にとっては家宝級の宝物だ。
Jがサインをお願いしたのはえらい昔のトレカだったので、俊輔はサインする前にそのカードを繁々と見ていた。これ欲しい、と思っていたりして・・・。
うさこさんは代表ユニにサインしてもらい、全員無事にサインゲット。

「写真もお願いしていいですか?」と尋ねると「あ、はい」と言ってくれたので、Jの性能のいいデジカメで撮影をお願いして俊輔の隣に立つ。
こんなチャンスめったにないんだから接近しちゃえ〜。ずりずりずりとにじり寄っていく大胆な私。私の肩が俊輔の腕に触れると、俊輔は「ん?」という感じで一瞬こちらを見た。

え、ダメ? くっ付き過ぎ? もっと離れてくださいって言われちゃうのかなあ。
すがるような目で俊輔の顔を見上げたら、俊輔はそのまま何事もなかったかのようにカメラに視線を戻した。
わーい、これって、くっ付いててもいいってことだよね♪

すっかり気をよくしていたら「私もいい?」と、うさこさんが入ってきた。一瞬「へ?」と思ったけど、まあデジカメなんだから私と俊輔だけを切り抜いて2ショット写真にすればいいや。ノープロブレムですよ〜、うさこさん。

あ、そうだ!大事なことを忘れるところだった! うにさんの旅行記に書いてあった俊輔の香りのことを思い出し、俊輔がつけているというブルガリの香水をかごうと鼻をクンクンさせる。あれ?なんの匂いもしないぞ?

「撮りますよ〜」というJの声がしたので、匂いをかぐのはやめてカメラに向かってニッコリ微笑む。撮った後に「ありがとうございました」とお礼を言うと、俊輔はぴょこんと頭を下げた。かわいい♪

次は私の撮影でJと俊輔の2ショットを撮ることに。ピンボケしないようにちゃんと撮らなくちゃ。気合を入れてカメラを構えたら、うさこさんが「私も!」と、こちらにもちゃっかり入ってきた。(笑)
Jは男なのをいいことに俊輔にぴったりと密着している。男って警戒されなくていいな〜。

最後はうさこさんの番と思ったら、「私はいいの」と首を振るうさこさん。忙しい俊輔の時間をこれ以上取ってしまったら悪いと思ったそうだ。なるほど。だから私たちの2ショットに入ってきたのね。
でも、この時うさこさんは大きな間違いを犯していた。私とJは2ショットに加工可能だけど、どちらの写真もうさこさんと俊輔の間には私かJが入っちゃっている。俊輔を挟んで反対側に立てば、うさこさんも2ショットに加工できたのに。この事実に帰国してから気付いたうさこさん。残念でした。(その場で私も気付きなさい!)

サインにも写真にも嫌な顔一つしないで付き合ってくれた優しい俊輔に、3人揃って感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました! 頑張ってください!」とエールを送る。
軽く頭を下げると俊輔はガラガラとカート引いて歩いていってしまった。

俊輔の後ろ姿を見送りながら、「俊輔、ブルガリの匂いしなかった〜」と言うと「多分、フレグランスは練習後シャワーを浴びてからつけているんじゃないかしら?」と、うさこさん。
そうか、そうかもしれないなあ。
「それにしても、写真撮っている最中に匂いかいでたの?なんでそんな余裕があるの?!」と、二人にびっくりされてしまった。本当に私ったら、なんでこんなに余裕があるんだろう。和食を渡したときもこの時も、自分でも不思議なくらい緊張していなかった。

俊輔に会ったことがあるファンの方たちの話を聞くと、みなさん初めてファンサービスしてもらったときは呼吸困難に陥りそうなくらい緊張したという。頭が真っ白になって、自分が何をしゃべったか、俊輔が何をしゃべったか、記憶もあちこち飛んでいるという。
それに比べ、大好きな俊輔にやっと会えたというのに、私のこの落ち着きはいったいなんなんでしょう。帰国してからも私はしばらくこのことを考え続けることになる。

帰国後、同僚や友人たちにこの時の写真を見せまくったら、みんな口を揃えて「ちょっと眠そうだけど、眠いなりにいい顔しようと努力してくれてるじゃん」と言ってくれた。
一度そういうふうに言ってもらえると、もう絶対にそういう顔にしか見えない。写真を見るたびに、「うふっ、眠いけど頑張っていいお顔してくれたのね♪」とデレデレしてしまう。もうほとんど病気の世界である。困ったもんだ。



☆レッジーナの愉快な仲間たち その2
一昨日に引き続き、サンタガタで遭遇した俊輔以外の選手たちをまとめてご紹介!

うさこさんと違ってレッジョに初めてやってきたJと私は、駐車場から歩いてくる選手たちを捕まえての記念撮影に忙しかった。一昨日写真を撮らせてもらった選手には「チャオ〜♪」だけで済ませたけど。

そんな時、一台の車が私たちの脇でスピードを落とした。窓ガラスに鼻をくっつけ、でっかい目玉をぎょろぎょろさせてこちらの様子を伺っている奴がいる。
「あーーー!バイオッコだーーー!」と叫んだ後、一斉にゲラゲラ笑う私たち。
なんかバイオッコって雰囲気がコミカルで笑えるのよね。あの時は指差して笑っちゃってごめんね、バイオッコ。

駐車場からジャッケッタがやってきた。サングラスを外してくれなかったのでちょっと自信がないんだけど、多分ジャッケッタだと思う。試合ではほとんど出番がなかったが、いつもレッジーナのOHPで写真を見ては「いい男だわ〜♪」と目をハートにしていたので、迷わず2ショットをお願いする。
優しく肩を抱き寄せてられて、心の中で「キャーキャーキャー」と叫んでいた私。想像していた通りのスマートな対応だった。レッジーナは気さくなお兄ちゃんタイプが多いのだが、彼からは洗練された都会の匂いがした。今はどこのチームにいるのかしら?

駐車場からコッツァ、ステッローネ、ソッティルが仲良く並んで歩いてきた。
曇り空だというのにステッローネのスキンヘッドが輝きを放っている。黒いサングラスとクリスタル(?)のピアスがお似合いだ。頭の形がむちゃくちゃキレイで、思わず口を開けて見惚れてしまう。

ソッティルは今日も爽やかだった。こちらの瞳を覗き込むように優しく微笑んでくれる。やっぱりイタリア男はこうでなくちゃね♪

Jがコッツァと写真を撮りたいというので、「写真お願いしてもいいですか?」と笑顔で話しかけたら、コッツァはちょっとだけ後ずさりをした。
なんで?なんか怯えているように見えるんですけど?
せっかく3選手いるので、3人にJを囲んでもらって撮ることになった。ソッティルとステッローネは笑顔を浮かべてくれたのに、コッツァに笑顔はない。撮った後も「グラッチェ〜」と元気にお礼を言ったのに、やはりコッツァはおどおどしていた。意識的に日本人との間に距離を保っているような感じ。

なんか変だなあ。うにさん情報によると、コッツァは女性に対して優しいはずなのに。まあ、私は好みのタイプじゃないだけのことかもしれないけど、それにしてもあの怯えた表情は納得がいかない。

も、もしかして、誰かコッツァを襲撃しました?
「俊輔があんたの控えだなんて許せない!」とコッツァに詰め寄った日本人がいるのかしら?
真相は未だ謎に包まれたままである。

メスト君が駐車場から歩いてきたとき、私はそれがメスト君だと気付かなかった。うさこさんに2ショット写真の撮影を頼まれたときも、「この人誰?」と思いながらファインダーを覗いていた。うさこさんは私に「メストだよ」と教えたらしいのだが、何故か記憶にない。朝だから単にボケていただけ? 確かに私は血圧が異常に低いので、朝は頭が回らないのだけど・・・。それとも私にとって目の前にいるイケメンがメスト君だと脳内で繋がらない何か決定的な要因があったのかしら?

メスト君はうさこさんとの2ショット撮影のあと、いつまでも私を見てニコニコ笑っていた。いや、笑顔の裏に戸惑いも見えた。おそらく彼の頭の中はこんなだったと思う。
「あれ? 君は僕と2ショットを撮らなくていいの? 僕、行っちゃうよ。頼むなら今だよ」
それでも私はひたすら「この人誰?」と思っていただけで、2ショット写真を頼まなかった。誰だか分からなくても撮っておけば良かったのに失敗したわ。「僕本当に行っちゃうからね。知らないよ〜」という感じで、メスト君は何度も振り返りながら去っていった。
悪いことしちゃったなあ。絶対に私、自分はジャポネーゼに人気があると確信していたに違いないメスト君のプライドを傷つけてしまったに違いない(ミケたんのは勘違いだけど、メスト君の人気は本物だもんね)。メスト君、アホなお姉さんを許してね。

この日俊輔以外で一番印象に残っているのがイラネク。
「写真お願いしてもいいですか?(私が覚えた数少ないイタリア語)」
にこやかに近づく私に無表情で「Si」と応えるイラネク。全然ニコリともしないので「あら、写真撮るの嫌なのかしら?」と不安になったが、彼の両脇にJと私が立つと、それはそれはしっかりと背中を抱いてくれた。
3ショット写真を撮った後で「グラッチェ」と微笑む私に、またしても無表情で「プレーゴ(どういたしまして)」と言うと、そのままスタスタ歩いて行ってしまうイラネク。よう分からん奴だ。

「寝起きで機嫌が悪いのかな?」と首を傾げる私に「イラネクは前もあんな感じだったわよ」とフォローするうさこさん。
そうか、いつもああなのか。あまりにも表情がなくて、まるで蝋人形みたいだ。てか、遠くから誰かにリモートコントロールで動かされている感じ。実はアンドロイドだったりして?(んなわけないよ!)

この時期負傷中だったボナことボナッツォーリは、とても暗い表情をしてクラブハウスから出てきた。
今日も練習には参加せず怪我の治療だけで終わったみたいだ。沈みきった暗い顔をしていて、とても話しかけられるような雰囲気ではない。
レッジーナサポの長老みたいなお爺さんが、ボナの背中をさすりながら何かずっと言い聞かせていた。俊輔も辛かったけど、ボナもとても辛い時期だったね。ボナが笑っているときに、もう一度会いたいな。

別に会いたくなかったけど遭遇してしまったのがフォーティ会長。お供を数人引き連れて、眉間にしわを寄せ難しい顔で歩いてきた。今年も残留できるかどうかどうかの瀬戸際だったので、会長も悩みが尽きなかったのだろうが、こ、こ、こええよ〜。
体中から発散されるどす黒いオーラに圧倒され、何故か邪魔にならないところに立っている人たちも更に2、3歩後に下がる。目が合ったら殺されそうだ〜と思いつつも強烈過ぎて視線を外せない。
幸い私の存在には気が付かず、苦虫を噛み潰したような顔のまま目の前を通り過ぎていった。あんなマフィアみたいな爺さんに気に入られていて俊輔も恐いだろうなあ。

あーあ、今日もパレデスと遭遇できなかった。私の中でレッジーナのイケメンランキングNo.1のパレデスはどこに隠れてしまったのかしら?(別に隠れちゃいないだろうけど)
きっと車で送ってきた奥様がクラブハウスの入り口で降ろしてしまって、駐車場を経由しなかったのね。俊輔の次に会うのを楽しみにしていた選手だったので、むちゃくちゃ残念。でも思った以上にレッジーナのイケメン率が高くて楽しめたからいいや。

Jは「俺、レッジーナの選手はあまり知らなかったんだけど、みんなすげえカッコいい!」と大満足の様子だった。これをきっかけに、すっかりセリエAチームの練習場通いの楽しさにはまってしまったようである。レッジョを離れた後、ブレシアの練習場にJが姿を現したのは言うまでもない。

ついでにもう一つ。レジの選手ではないが、このあと昔ファンだった水沼さんと会えたJはむちゃくちゃ喜んでいた。
「いやあ、まさかレッジョで水沼さんと会えるとはねえ」目を丸くして、はしゃぐJ。
「でしょ〜〜〜、レッジョでねえ」とJに合わせてくれる水沼さん。
水沼さん、本当にステキな人だ♪



<うさこのヒールパス> 俊輔リタイア
結局10時半近くなってわらわらと選手が出てきた。私は去年の練習を思い出して、俊輔がシューズを抱えて出てくるのを期待して待った。ところが、いくら待ってもちっとも現れない。
あれ〜、気付かないうちに出て来ちゃったのかなあ。俊輔はどこだろうと、カメラのレンズ越しに探すが、いくら探しても見つからない。

今日はかなり風が強くて、どんどんからだが冷えてくる。私はずいぶん着込んできたが、風邪気味のリーメイさんはだいじょうぶだろうか。Jさんもフリースだけでは寒いに違いない。早く俊ちゃん出てきてちょうだい〜。
しかし・・・。待てど暮らせど俊輔は登場しない。10時頃にやってきたレイコちゃんたちに住所を聞いたりしているところに、彼女が知り合ったレッジーナのマネージャーさんとか言うおじさんが現れて、「練習は10時半からだ」と教えてくれる。
そうだったのか。軽い体操の後、例の鳥かご練習が始まり、奇声が上がる中、楽しそうに続いていた。

「俊、います?」
「いないねえ」
「うん、いない」
「どうしたんだろう」

水沼さんたちも俊輔を待って、建物の屋根に上ってグラウンドを見渡している。しかたがないので水沼さんをビデオにおさめることにしてしばらく過ごす。これはこれで結構楽しい。

レイコちゃんが仲良しになった、日本の記者さんの友達だという、ちょっと日本語が話せる男の子と話したりして過ごす。
「ナカムラ、いたい」と言って足を指す。そうなのよ、足が痛いのよねえ。でもおとといはちゃんと練習してたんだから。

そして、なぜ練習に参加しないのかもわからないまま、40分ほど経った頃、通用門のほうで気配がして、携帯で話しながら俊輔が出てきた。
「あれは、ダミーだな」とJさんは言ったが、なにやら一生懸命日本語で話していた。サインは頼めない雰囲気に満ちていたのに、Fさんが近付いて行くので「え、だいじょうぶ?」と思ったら、手紙を渡しただけだった。さすがに手紙は受け取ってくれました。

少し遅れて水沼さんが俊輔のカートを引いてやってきた。
Fさんたちが「水沼さん〜、写真を〜」と近付こうとすると「ちょっと待ってて」と厳しい顔でそのまま行ってしまう。向こうの駐車場を出たところで(多分運転は悟郎ちゃん)、車に乗り込む前に俊と水沼さんが話し込んでいる。さらに乗り込んでからもドアを開けたままさらに話は続いている模様。
やっと話が終わって、俊の車は私たちの前を通って出て行ってしまった。
「あー、行っちゃったあ」

水沼さんもこちらへ戻ってくる。さすがに明るい顔ではないが、さっきの厳しさはなくなっており、ちゃんとFちゃんたちに「お待たせ」と声をかけてくれる。
サインと写真をしたあと握手をしているのを見て、「私も(握手)〜!!」と飛んで行ったら、思いっきり笑われてしまった。でも、しっかり握手はしてくれた。結構男っぽい、ごつごつした手だったなあ。

でも、事態は深刻。俊が荷物を持って帰ってしまうってことは、みんなといっしょにホテルには行かないってことで、それはつまりベンチ入りしないってこと? 原因は何? まさか、監督とやり合ったりしてないよね。クラブハウスから出て来なかったのは足の治療だったのかなあ。そんなに悪いの?? 明日の試合には出ないのかあ。

「足、ダメみたいね」と水沼さん。
「明日は出ないでしょうね」
それはしかたないけど、代表は?? チェコはどうするの?

「あの・・(おずおず)、水沼さんに聞いちゃっていいのかな、チェコへは・・行けるんですか?」
「いや、それはわからない。聞いてないから」
そりゃそうよね。でも、明日の試合に出られないくらいじゃ・・・(涙)。

後で知ったところでは、この時俊輔は、病院に検査に向かっていたらしい。骨折でなくてほんとによかったけど、足の指ってバランス取るのにとっても大切だから、痛いっていうだけでプレーに大きく影響するはず。
痛みはがまんできても、狂いが生じるのは避けられないだろうし。そういえば紅白戦のキックもおかしなのがいくつかあったなあ。

俊輔がどんな気持ちでいるかと思うと、いても立ってもいられない思いだった。ベンチにも入れないほどひどいのだとしたら、とてもチェコ戦に行くのは無理だろうから、相当落ち込んでるに違いない。パルマ戦で見られないことより、そっちの方が心配でたまらなかった。
こんなことなら紅白戦出ないでハンガリーに向かっちゃった方がよかったかも。でも、痛いのは先週からだって言ってるから、この間の紅白戦だけが原因じゃないのかなあ。今考えると、初めから痛そうだったもんなあ。ほんとに、「誰が踏んだのさ!!! 犯人出てこい!」とクラブハウスに怒鳴り込みたい心境だった。

☆日本人の声が聞きたい?
俊輔が帰ってしまったので、虚ろな瞳で練習を眺める。
俊輔がいないし、寒いし、イマイチ見学に身が入らない。

そんな時、隣にいたイタリア人のおじさんがいきなり自分の携帯電話を私に差し出して“Say something.”と言った。そんな突然「何か言え」って言われてもねえ・・・。だいたい電話の相手は誰だよ。
「イタリア語は話せないよ」と言うと「日本語を話せ」とおじさんが言う。日本語???

わけがわからないまま電話を受け取り「もしもし?」と話しかけたが、相手から全く反応がない。向こうの息遣いは聞こえるので、確かに誰かと電話はつながっているみたいだけど・・・。どういうこっちゃ?

「もしもし、貴方は誰ですか? 日本語を話せって言われたけど、きっと貴方は日本語を話せないんですよね? 貴方はイタリア人ですか? 何か話せといわれても私は困ってしまうんですが、いったい何を話せばいいんでしょう? ほんと困っちゃいますね〜」
ヤケになってベラベラしゃべる私。だけど電話の向こうからは何も言葉が返ってこない。

いい加減ばからしくなってきたので「もういいでしょ?」と携帯を付き返すと、おじさんは「サンキュー、サンキュー!」と満面の笑みで受け取った。いったい何に満足したんでしょうか?
上機嫌のおじさんは電話の相手に興奮した面持ちで、ジャポネーゼがなんたらかんたらとまくしたてている。よく分からないけど、喜んでくれたみたいだからいいか。どうせ話が通じないんだから、日本の童謡でも歌ってあげればよかったかしら。

☆誰か電話を貸して
寒いよ〜、寒いよ〜、寒いよ〜。雨もパラパラ降ってきたよ〜。
冷たい風がびゅんびゅん吹いてきて体温をどんどん奪っていく。みんな体を温めようと地団太を踏んでいたけど、もうそろそろ限界だ。俊輔もいなくなってしまったので、みんなの見学のモチベーションも低い。なんか気分的に盛り上がらないし、風邪ひく前に帰りましょうということになった。

しかし、問題はタクシーである。おばちゃんには1時に迎えに来て欲しいと言ってある。今はまだ11時半。時間変更の電話をしないといけないけど、オフィスが閉まっているので電話を借りられない。
そこでうさこさんが、さっきの携帯おじさんに電話を貸して欲しいと頼んでみた。おじさん快諾。そりゃそうよね。ただで私の美しい日本語を聞かせてあげたんだから、携帯電話くらい貸してもらわなきゃ。

おばちゃんがくれた名刺には3つぐらい番号があって、うさこさんが最初にかけた番号は誰も出なかった。困っていたらレイコちゃんと仲がいい日本語が少し話せる兄ちゃん(俊輔の番記者さんの友人だとか)が寄ってきて「タクシーなら呼んであげるよ」と嬉しい申し出をしてくれた。
おお、それはありがたい。兄ちゃんが別の番号に電話したら今度はおばちゃんが出てくれた。お迎え時間を1時間早めて12時に来てくれることになったので、あと30分の辛抱だ。良かった〜。

どうでもいいけど、この兄ちゃんは菅野美穂のテレカを持っていた。
「ミホちゃん、かわいいね〜」とテレカに頬ずりしている。ふうん、菅野美穂が好きということはJと好みが一緒だね。それから、番記者さんが教えたんだろうけど、「なんでだろ〜、なんでだろ〜」と歌ってはしゃいだりしていた。なんか変な奴だったけど、助けてくれてありがとね。



☆ファミマのチラシを配る女
この日私はファミマのチラシを大量に持っていた。日本代表レプリカユニの申し込みのチラシで、代表ユニを着た凛々しい俊輔がでかでかと載っているやつだ。うにさんから俊輔が載っているものなら何でもレッジーナのサポは喜んくれると聞いていたので、日本でたくさん集めてサンタガタまで持ってきたのだった。

まず試しにレイコちゃんに懐いていた小学生くらいの男の子に差し出してみた。
「ナカ!」男の子はぱっと目を輝かせると「グラッチェ!グラッチェ!」と溢れんばかりの笑顔を向けてくる。こんなに喜んでもらえるなんて、わざわざ日本から持ってきた甲斐があるというものだ。大人は喜んでくれるかな? 近くにいたオジサン達にも配ってみたら、みんな一様に喜んでくれた。
小雨が降っていたのでチラシが濡れないよう大事そうにジャンパーの胸元にしまっているオジサンもいる。前もって雨が降ると分かっていたら、クリアーホルダーに入れて配ったのに。

この寒空に半袖のポロシャツ一枚のおじさんが、なにやらイタリア語で訴えかけてきた。イタリア語が少し分かるレイコちゃんに通訳してもらったが、どうやら「ナカムラを使わないカモレーゼは大馬鹿野郎だ」と言っているらしい。ありがとう、ジャポネーゼに気を使ってくれているんだね。

半袖おじさんはイタリア語が分からない私のために「ナカムラ、ナンバーワン! ナカムラ、ナンバーワン!」と人差し指を突き立てて叫び始めた。半袖おじさんのこめかみには青筋が立っている。そんなにむきにならなくてもいいのに・・・。血圧が上がっちゃうよ。
「グラッチェ〜」と笑顔でお礼を言ったのに、半袖おじさんは止まらない。むき出しの腕を寒さに震わせながら、人差し指を突き立てて更に続ける。

ナカムラ、ナンバーワン! ナカムラ、ナンバーワン! ナカムラ、ナンバーワン!

「まだ言ってるよ」レイコちゃんと私は笑っていたが、それでも半袖おじさんは熱く続ける。

ナカムラ、ナンバーワン! ナカムラ、ナンバーワン! ナカムラ、ナンバーワン!

もういいよ。もうやめて。なんだか涙が出てきそうだ・・・。
レッジョの人たちって、本当になんて温かいんだろう。いろいろあるけど俊輔がこの町を選んだこと、きっと間違いじゃなかったと思う。この人たちのためにも一日も早くピッチで活躍できるといいね、俊輔。

雨が大粒になってきたので、入り口近くの木の陰に避難することにした。
そっちに向かう途中でレッジーナの子どもチームの男の子二人が歩いてきたので、またしても調子に乗ってチラシを配る私。男の子二人は「あ、ナカだ」という感じで顔を見合わせて戸惑っている。
そりゃ、いきなり外国人にチラシを渡されたら困惑するよね。すると父親らしき人が近寄ってきて、ニコニコしながら「グラッチェ〜」とお礼を言ってくれた。この男の子二人の反応はイマイチだったけど、もしかしてコッツァのファンだったのかな?



☆番記者さんたち
門の近くの木の下で雨風をしのぎながらタクシーの到着を待っていると、背の高い日本人記者さんが「タクシー呼びましょうか?」と声を掛けてくれた。
じきにタクシーが来ることを告げると「じゃあ大丈夫ですね」と会釈をして去っていった。後日レイコちゃんに記者さんの特徴を伝えたら日刊の記者さんと判明。
お気遣い嬉しかったです。ありがとうございました。(これを読んでいるとは思えないけど一応お礼)

そういえば一昨日はスポニチの記者さんとも少しだけお話した。当時の俊輔はあまり試合に出ていなかったので、スポ新に取り上げられることも少なかったし、取り上げられたとしても監督やチームメイトとの確執を煽るような記事が多かった。
そんな中、スポニチだけが毎日ちょっとしたことでも記事にしてくれていた。それも一切煽りなしで。ほんの数行の記事でも、俊輔の様子を伝えてくれるのがどんなにありがたかったか・・・。だからスポニチと聞いて、思わず口をついて出てしまった。

「いつもポジティブな記事が多くて嬉しいです」
すると記者さんは「ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!」と深々と頭を下げた。

え、そんな、こちらがお礼を言いたいくらいなのに。いきなり頭を下げられて面食らってしまった。なんて真面目な人なんだろう。

「こ、こちらこそ、これからもよろしくお願いします!」
しどろもどろで答える私。この時うさこさんと私はおばちゃんタクシーの元へダッシュで戻っている最中だったので、慌しく記者さんの元から走り去らなければならなかった。時間があったら、もっとちゃんとお礼を言いたかったのに。

この記者さん、今はヒデの担当になっている。ヒデは扱いが難しいかもしれないけど、よろしくお願いしますね。

俊輔の周りにいる記者さんのうち、少なくとも二人は優しい方のようで少し安心できた。



☆おばちゃんタクシー最後の乗車
おばちゃんタクシーがやっと迎えに来てくれた。車内はとても暖かい。う〜、生き返る〜!
走り始めるとおばちゃんは助手席に座っていたJに、なにやら背もたれのあたりを指差す。見ると何かの包みがある。Jに開けろと言っているようだ。開けてみるとクッキーだった。どうやら私たちに食べさせようと持ってきてくれたらしい。おばちゃん、ありがとう!
一枚いただいてみたが、サクサクしておいしい! お腹も空いていたので、あっという間に平らげると、もう一枚勧めてくれる。うれしいわ〜、遠慮なく頂戴します。

おばちゃんは厳つい顔をしているけど実はとっても優しい。あんな頼りない旦那じゃなかったから、きっとこんなに老けこむこともなかったのにね。旦那だけあんなツヤツヤした顔して許せないよね。苦労してるんだね、おばちゃん。
と、勝手におばちゃんの身の上を案じる私であった。(よけいなお世話?)

ホテルに戻らずに中央駅で降ろしてもらうことにした。Jはこれからナポリへ向かうので、バスと列車の時間を調べる必要がある。うさこさんと私もレッジョの空港が5月3日まで閉鎖だとホテルのフロントで教えてもらっていたので、ローマへ行く列車についていろいろと調べておかないといけない。

タクシーを降りるとき、おばちゃんが「荷物はないのか?」と聞いてきた。私たちがこのまま他の都市へ移動するんだと思ったらしい。
出発は月曜だと言うと、「帰る時は電話してね」と、くしゃくしゃの顔に微笑を浮かべて走り去った。

この時は、またおばちゃんに会えると思っていたんだよ・・・。だけど、おばちゃんに会ったのはこの時が最後になってしまった。もう会えないことが分かっていたら、ちゃんとお別れを言ったのに。
ここに書いても届かないけど、おばちゃん、親切にしてくれてありがとう。もう一度レッジョへ行くことがあったら、その時も必ずおばちゃんをお抱え運転手にするからね。





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