南イタリア遠征記
〜グランブルーの青い海と俊輔に逢いたくて〜

☆レッジョ編☆第四日目☆1




4月25日日曜日。曇り時々晴れ、一時雨。

★罪悪感みたいなもの
朝食を食べた後、うさこさんと一緒に散歩に出かけた。
とりあえず街の北側まで行って、Jの泊まっているノエルに行ってみることにした。私が預かっていたJのパルマ戦のチケットを渡したかったのだ。
うさこさんと私は試合の前に中央駅に寄って列車のチケットを購入したいし、スタジアムへも余裕を持って到着したいので、かなり早めにホテルを出る予定でいる。もしJの具合が優れないようならJの分のチケットを渡しておいて、試合ギリギリまでホテルで休んでもらった方がいい。

ノエルのフロントでJの部屋番号を聞き、ドアをノックする。しばらくしてから寝癖で髪がぐちゃぐちゃのJがドアを開けた。私たちが訪ねてくるとは思っていなかったようで、かなり驚いた様子。

「すっごい部屋狭いね」と遠慮のない私。
「そっちが泊まってる高級ホテルとは違うから」と苦笑いのJ。

実はレッジョに来てからずっと私の心の中にはある種の罪悪感があった。その気持ちはJのこの超狭い部屋を見たときから更に強くなった。
私が何を後ろめたいと思っていたかというと、あんな3つもベッドが並んでいる無駄に広い部屋を一人で使っていないで、Jを泊めてあげれば良かったということ。
この思いは帰国してからも心の中にくすぶっていた。Jも私の部屋に来たときに冗談めかして「この部屋、俺が泊まっても平気じゃん」と言っていたっけ(Jは半分本気だったと思う)。

バックパッカーが部屋代を浮かすために誰かと(相手が男であろうと女であろうと)部屋をシェアするなんて当たり前のことだし、半年の放浪生活でJもそういうことに慣れていただろうし、変に自意識過剰にならないで気軽に申し出れば良かったな。だいたい私とJの間にそういう間違いが起こるはずがないんだしさ・・・。
あ〜、本当に泊めてあげれば良かったよ〜!もし今度こういうシチュエーションになったら絶対に私の部屋に泊めてあげるからね、J。とはいえ、こんなシチュエーションには2度と遭遇しない気がするけど。。。

どうやらJの体調は回復しつつあるようで、予定通り私たちと一緒に出かけるという。良かった、良かった。ということで、12時にミラマーレで待ち合わせる約束をしてノエルを後にした。



<うさこのお水ゴクゴク> フッティバルの階段発見!!
今日は日曜日。試合は午後3時からだし、午前中いっぱい時間があるので、Jさんをホテルに見舞った後、リーメイさんと私は、レッジョの町の北側の界隈を散策してみることにした。あわよくば、俊輔のお家の近くまで行けたらいいな、なんて・・・。

といっても、フッティバルに登場する風景がなんとなくリド駅周辺が多いので、今シーズンの住まいはこの辺なのかしら、という程度の情報しかない。まったくの見当違いかもしれないし、だいたいどんな建物かもわからないのですわ。
それでも、ホテルエクセルシオールの裏側に回ると、そこはなかなかすてきな住宅街で、緑も多く、「こんなとこなら住み心地がよさそうね」。

実は先日から街を歩くたびに、私たちは俊輔が特集されたフッティバルの撮影現場を発見したいと、あちこち探しまわっていた。とはいうものの、ターゲットは「階段のある道」と「雨宿りの青い壁」ぐらいしかない・・・(苦笑)。
でも、かなり印象的だったこともあり、できることなら、「海岸通の手すり」みたいに、ちょっとそれらしい写真がとりたいなあと。まあ、それほど期待もしないで「あ、あの店のドア、フッティバルと同じ青じゃない?」とか「お、ここにも階段。ちょっと周りの景色がちがうか?」という程度だったのだが、斜面にできた街のせいか、海と平行に何本も走る道にはあちこちに、それらの細道をつなぐ階段を見かける。
なるほど、こんなとこなら結構いい撮影場所になるかも。

そのうちに、海岸通りの遊歩道に出た。おとといだかが、なんたらいう聖人の祝日だったらしく、町はイベントで盛り上がっている。海岸通の遊歩道も奇妙な形のテントやら、露店やら、曇り空の割には活気のあるにぎわい。
二人して「お、このテント、映画館みたいよ!」などと首を突っ込んでうろうろしているうちに、リーメイさんを見失ってしまった。大きなテントや店の付近を覗くが、どこにもいない(汗)。おーい、リーメイさんやーい!!

行ったり来たりしていると、変なおじさんが声をかけて来た。リーメイさんとちがって、私に声をかけてくるのはいい年のおっさんである(苦笑)。
なんとなく漁師のおじいさんという感じで、浅黒い顔にしわが深い。でも人はいいらしく、さかんにイタリア語で話しかけてくるので、「日本から来た」「今日はサッカーの試合見るの」などと適当に相手をしていたら、どんどん話は進んで、どうもメッシーナ海峡の話をしているらしい。

「この海は・・・メッシーナ・・・とても深い(これは身ぶりで)・・・」
いやあ、おじさん、全然わかんないんだけど・・・。

しかたがないので「へえ〜」「うんうん」と盛り上げてあげることにした。そしたらおじさん、満足して「じゃね、チャオ!」と行ってしまった。おいおい私は暇つぶしかい。

おかげでますますリーメイさんの行方がわからなくなっちゃったじゃない。
どっちへ行っちゃったかな?と車道の方に目をやった時、中央分離帯(というか、緑地帯)の中に、反対車線につながる階段が目に入った。

え・・・?この階段・・・。

両側の街灯といい、階段の石の感じといい、背景に見える通りといい、フッティバルのあの写真とそっくりじゃないの!うしろの建物もマンション風でこんな感じだったしなあ。自信はなかったけど、とりあえず1枚パチリ。リーメイさんがいたら、モデルになってもらうのに・・・、残念!!

確認できたのは日本に戻ってからでしたが、多分同じところだったと思います。街路樹の感じがちがうのと、背景がぼかしてあるので、ちょっと修正したのかな?という気はしますが・・・。建物の色合いとか、バルコニーの感じとか、きっとあそこだわ。
そういえば住まいもこっちのほうだというし、この辺は格好の撮影スポットだったのかも…などと勝手に解釈して、とりあえず時間も時間だし、ホテルにもどろうと足を向けた時、前方にリーメイさん発見!
なんだ、案外近くにいらしたのね。そろそろお弁当でも確保して帰りましょうか?
「おーい、リーメイさん、階段、あったよぉ!!」



★レッジョ流ナンパの掟
今日は日曜日なのでルンゴマーレは一昨日と違ってたくさんの人で大賑わいだ。
リド駅(地下にある!)を通り過ぎテクテク南下していくと、今日はお祭があるらしく特設のイベント会場が設置されていた。巨大なテントみたいな会場の中を覗いてみると、入り口近くにコーヒーの自販機みたいなのがあり、奥のステージに向かって椅子がたくさん並べられていた。外側に映画のチラシが貼ってあるから、ここで映画を上映するのかな?
時々レッジーナのOHPでクラブのイベントの様子を知らせる写真が紹介されるけど、レッジーナのイベントもこういう場所でやっているのかしら?

うさこさんは写真撮影に忙しくて頻繁に足を止めるので、「先に行きますねー」と私は一人で歩き始めた。これが間違いの元だった。

一人で歩き始めて1分も経たないうちに、ハンチング帽をかぶったお爺さんが話しかけてきた。イタリア語なので「ごめんねー、全然分かんないやー」と日本語で返すが、お爺さんは構わずに話し続ける。
うーん、困ったなあ。どうしよう。いくらお爺さんの話を聞いても理解不可能なので「ごめんねー、わかんないから、バイバイね」とにっこり笑って手を振ったら、お爺さんは諦めて離れていった。

すると間髪空けずに今度は50代くらいのオジサンが話しかけてきた。またかよ。
「ごめんねー、イタリア語わかんなーい」とあくまでも日本語を貫く私。するとオジサンは私に向かって肘を突き出し、反対側の手で海を指差した。

ええと、、、僕と腕を組んで海辺を散歩しようということでしょうか?
「No!」と首を振ってもオジサンは諦めない。人差し指でしつこく海を指しながら、肘を突き出して迫ってくる。こっちも諦めずに「No! No! No!」と繰り返す。しばらく押し問答を繰り広げた後、ようやくオジサンは肩をすぼめて離れていった。やれやれ、なんだか少し疲れたよ。ベンチに座って、うさこさんが追いつくのを待つとしよう。

ところがベンチに腰掛けると同時に、また別のオジサンが目の前に立って話しかけてきた。何やら熱っぽく語っているけど、さっぱりわからん。もう、いや〜ん。
ふと斜め前を見ると銀縁メガネをかけたインテリっぽいの若い男性がこちらをじっと見ている。私が困っているのを見かねて助けてくれようとしているのかも、と淡い期待を抱く。
しかし、男性は助けてはくれなかった。何をしたかというと、私がオジサンを振り切った直後に近寄ってきて、「カフェ? カフェ?」とお茶に誘ってきたのである。なんだよ、お前もナンパかよ!

落ち着いて周りを見回してみると、私が座っているベンチを遠巻きに囲んでいる男性が10人以上いる。で、私を口説いている男性が振られて離れていくと、そのうちの一人が進み出てきて口説き始めるのである。

おいおいおい、おまえらナンパの順番待ちかよ・・・・・・。
うさこさん、早く追いついてくれないかなあ。うさこさん、どこにいるの?

立ち上がってうさこさんの姿を探したら、まだ遠くの方にいた。しかもオヤジにつかまっている。あちらも熱烈に口説かれている最中かも。ありゃりゃ、こりゃダメだ。
援軍は期待できないので、ひたすら「No! No! No!」を繰り返し、怒涛のナンパ攻撃を耐えしのぐ。どうすんだよ、切りがないよ、これ。ホテルまで走って逃げようかな。

ようやくうさこさんが「リーメイさ〜ん!」と叫びながら走ってきた。その時ちょうど私を口説いていた40歳くらいの男性に「アミーカ!アミーカ!(友達)」と言ってうさこさんを指差すと、何故か「オッケー、オッケー」と慌てて私の元から離れていった。
いったい何がオッケーなんだろう。ベンチを囲んでいた男性たちも雲の子を散らすように姿を消した。どういうこっちゃ?

「ごめんね。変なおじさんに捕まっちゃって、なかなか解放してくれなくて」
うさこさんもオヤジを振り切るのに相当苦労したらしい。その後二人で歩き始めたところ、遠くから熱い視線を送ってくる人はいても声を掛けてくる人はいない。
どうやらレッジョには女性が一人でいるときしかナンパしないというルールが存在するようだ(もしかしてイタリア全土に共通するルール?)。おもろい掟だなあ。なんだか笑っちゃう。でも、決して割り込みしないでお行儀よく順番待ちするという姿勢は、礼儀正しいと評価すべき???



★街はフェスティバル
今日はいったいなんのお祭なんだろう? ガリバルディ通りもルンゴマーレ同様、大勢の人でごった返していた。
広場ではボーイスカウトが整列して何かやっている。みんな中学生かな? 男の子はベージュのシャツに黒い半ズボン。女の子は水色のシャツに紺のキュロットスカート。男女とも首に赤×白のチェックのスカーフを巻いている。
そのちょっと先では、元気いっぱいのちびっこボーイスカウトもいた。こちらは全員お揃いの黄色いラインの入ったグリーンのキャップを被っている。グリーンのジャージの上に黄色いスカーフをして、下はカーキ色の半ズボンだ。カメラを向けると、みんな大はしゃぎ。かわいいな〜。

そこに高校生と思われるのボーイスカウトの男の子(ヒゲ生やしていたけど高校生だと思う)と女の子がカメラを持って近付いてきた。なんと、私たちを撮らせてくれと言う。
ええ!? 私たちの写真なんて撮ってどうするの?と言いつつも、喜んで撮られる私たち。モデル気分で楽しいわ♪
うさこさんが「こちらも撮らせて」というと、二人寄り添ってポーズを取ってくれた。とても仲の良さそうなカップルで、「ワーイ、日本人の写真を撮っちゃったー!」という感じで、大喜びで仲間の元に戻っていった。

お祭騒ぎのガリバルディ通りの散策を続けていると、突然15歳くらいの男の子が私の目の前に立ちはだかった。何も言わず私の顔をジッと見つめている。
「なあに?どうしたの?」と笑いかけても黙ったまま真っ直ぐに私を見つめるだけだ。頬を上気させてモジモジしながら、ひたすら瞬きもしないで、黒目がちの大きな目で私を見つめ続ける男の子。私、にらめっこを挑まれたんだろうか?

いいよ〜、受けて立ってやるわよ〜。にらめっこは得意だもんね。
私も負けずに男の子を見つめ返す。絶対に目をそらしてやるもんか。

ところが、たっぷり1分以上見つめ合ったところで、その男の子はいきなりポップコーンのように弾け跳んだ。ひゃ〜、びっくり!心臓が止まるかと思ったよ! そして男の子は「ナッカムーラ!」と叫ぶと一目散に走っていってしまった。もう唖然、呆然。

うふっ。私のあまりの美しさに言葉を忘れて見入ってしまったのね♪
というのはもちろん冗談で、よほど日本人が珍しかったんだろうな。いくら俊輔が来てから日本人が増えたとはいえ、街中に日本人が溢れ返っているわけじゃないし、そもそも東洋人をほとんど見かけない町だもの。もしかしたら私はあの男の子が生まれて初めて生で見る日本人だったのかも知れない。
しかし、あの男の子すごい跳躍力だったなあ。将来、三段跳びか走り高跳びのオリンピック選手になれると思うぞ。



★列車のチケットを買う
待ち合わせ時間の12時ちょうど、ミラマーレのロビーにJが元気に姿を現した。
「もう全然平気!初めてのセリエA観戦なんだから具合悪いなんて言ってられないっしょ!」と、サッカー馬鹿丸出しのJ。顔色もいいし無理しているわけでもなさそうだ。良かったよ。安心したよ。今日は盛り上がろうね!

お昼用に購入したテイクアウトのピザを抱えてミラマーレを出発。
まずは試合の前に列車のチケットを買うために中央駅に寄った。
明日Jはナポリへ、私達はローマへ行く。思う存分南イタリアの旅を満喫してきたけど、いつの間にか帰国が近付いている。そのことを考えると、ちょっぴり寂しくなってしまううさこさんと私だった。

中央駅の窓口でJはスムーズにナポリ行きのチケットを手に入れた。
明日の朝早くレッジョを出発するから見送りはしなくていいよとJが言う。うん、朝は苦手だから見送って欲しいと言われても出来ないよ。薄情な友達でごめんね。

うさこさんと私はローマ行きのチケットを買うのにかなり苦労した。
午後9時10分発の夜行の寝台車に乗り、ベッドで熟睡しているうちに早朝にローマに到着するという計画だったのだが、寝台車に乗りたいというのが窓口のおじさんにイマイチ伝わっていないような気がする。
だってチケット代が寝台車にしては安すぎるもの。元の乗車代金にたったの3ユーロしかプラスされていない。これってただの指定料金だよね。
不審に思ったうさこさんが本当に寝台車なのかと確認するが、おじさんは「混んでないから予約しなくても大丈夫」と意味不明な主張。私たちは両手を合わせて傾けた上に片方の頬をのせ“おやすみポーズ”を取って「寝るんだから寝台車!」と主張。まったくトンチンカンなやり取りで、両者最後まで噛み合わず。

うーん、本当に大丈夫なのか?不安だったけど無理やり納得させられてしまった私たちであった。



★いざ、スタジアムへ!
列車のチケットを失くさないようにバッグの底にしまいこむ。さあ、スタジアムまで歩いていくぞ!
駅を通り過ぎると運河を渡る橋に出る。それを渡れば、あとはひたすらまっすぐに進むだけ。
まだ試合にはだいぶ早い時間なのに、これからスタジアムへ向かう人たちの姿もちらほらと。うーん、だんだんと気分が盛り上がってきたぞ♪

途中でレッジーナのグッズを売っているショップを見つけた。値段は露天よりは高めだったけど、サンタガタのショップが閉鎖しているので貴重な存在だ(と言いながら、私は露天を利用したんだけど)。
お店の前にレッジーナのかわいい帽子(どんな帽子か説明が難しいので、あとで写真を参照してくださいな)を被った女性がいたので、うさこさんがカメラを向けた。すると彼女は「ええ?!私を撮ってくれるの?ありがとう!」と、とてもステキな笑顔で喜んで応じてくれた。あの帽子、いいなあ。今度行ったら買っちゃおうかなあ。でも、いつ被るの???

やがて目の前にレッジーナのホームスタジアムであるオレステ・グラニッロが姿を現した。
スタジアムの裏側の広場には露天が並び、若い兄ちゃんと姉ちゃんが今日の試合のプログラムを配っている。表紙はメスト君だ。早速2部もらって中身をチェックするが、俊輔はまったく載っていなかった。いや〜ん、ショック。載っていると思ったから2部もらったのに。くすん。

そうこうしているうちにレイコちゃんとFさんを発見! 一緒に露店を覗いたりしてブラブラする。
私はレッジーナのニットのマフラーと帽子を購入。マフラーはレッジーナのチームカラーであるアマラント色(要するにエンジ色?)と白の縞々、帽子はアマラント色の単色で、どちらもレッジーナのマークが入っている。マフラーと帽子は御土産用にも数セット買って各方面に配ったが、なかなか評判が良かった。
ふと後ろを見ると横断幕や大きな応援フラッグを持ったコアなサポの集団がいたので、Jと一緒に近寄って行って記念写真を撮らせてもらった。みんなノリノリで威勢がいい。レッジョの人たちは写真に撮られるのが大好きみたいだ。

この広場(というかロータリー?)の一角に写真屋があって、そこで俊輔の生写真を買えるらしい。ワクワクしながら店に行ったけど、日曜日なので残念ながらお休みだった。
写真屋のウィンドーにはレッジーナの全メンバーの写真が展示されていた。どの選手もいい表情で映っている。俊輔もとってもいい顔だ。明日もう一度来て、この写真を買わなくちゃ。

写真屋の前から大賑わいの広場を見渡すと、向こうの方に日本人の男の子2人組が見えた。ツアーがなくてもレッジョまで試合を見に来る日本人は、数は多くなくてもちゃんといる。こんな不便なイタリア半島の果てまでファンを引き寄せてしまう俊輔の魅力は凄いなって改めて思った。

とりあえずグッズも買ったし、気の済むまで写真も撮ったので、ピザを食べることにしよう。スタジアムのフェンスに寄りかかり立ったまま食べ始める私たち。

そこに茶色い綿のコートを羽織った小柄な日本人の男の子が近寄ってきて「それ、どこでもらえるんですか?」と私が小脇に抱えているマッチデー・プログラムを指差した。
「2部もらったんだけど、俊輔載ってないから1部どうぞ」と差し出すと、「いいんですか!ありがとうございます!」と顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

彼はS君といい、Jと同じくバックパッカーとしてあちこち旅しているらしい。どうやら日本語が恋しくて私たちを見て話しかけてきたみたいだ。
そのS君、「ずっと洗濯していなくて、そろそろ限界なんですよ。僕、臭くないですか?」とクンクンとコートの匂いをかいでいる。なかなか正直で面白い子だわ。

JとS君はあっという間に意気投合。これからの旅程や安宿情報の交換などで、二人でめちゃくちゃ盛り上がっている。
バックパッカーとしては新米のS君がしきりに「Jさん、すごいですね!」を連発して、Jに妙に懐いているのが面白かった。この二人、ミラノでの再会を約束していたけど本当に会えるのかな?



<うさこの体当たりヘディング> レッジョの二人組に歌わされる
試合当日とあって、スタジアムの周りはほんとににぎやか。そんな中、私はどうしても行きたい場所があった。
それは去年あのレッジョの二人組の片割れに会ったお土産ショップ。
俊の記事に出ていた彼等二人の大きな写真をカラーコピーしてきたので渡したかったのだ。(実は、某所のレポでも書いたのだが、昨年の俊輔応援ツアーで来て、試合前にスタジアム裏でうろうろしていた時、サポのおじさんが「ちょっとおいで」と店に案内してくれ、紹介されたのがこのお兄さん。最初「だれ、この人?」とわからなかったのだが、俊輔が移籍した頃、ギター片手にさかんにあやしいナカ・ソングを歌いながらまとわりついていた、レッジョのローカルテレビのお笑い系レポーターだった。その後も日テレのニュースなんかでたびたび登場したので、レッジョのトニー&ジローとしてご記憶の方も多いはず)

スタジアムのバックスタンド側にあるその店は、ショーウィンドウに去年ほど品数もなく、なんとなく休みかも、と思わせるさびれた雰囲気だった。
でも、中に入ると、やっぱり例のお兄さんが。「いた!」覚えてるかな〜? 覚えてないだろうな〜。案の定、「この日本人、何の用?」という表情。ちょっと、冷たくありません? 

でも「これ、二人の写真なんで、あげる!」といきなり差し出すと、「おれに? くれるの〜? グラッチェ!!」と、にこにこ。
で、「こっちのお兄さんにもあげて」ともう一枚渡すと、なんと中からもう一人出てきた。
やっぱり「おれだあ! ねえねえ、このパンツ、今日もはいてるよ」とはしゃいでいる。(え、その時からはきっぱなし??と思ってしまった私・・・汗)

ほかにも、その時撮ったちびっこサポの写真が渡せないか情報を聞いたが、はっきりわからなかった。
「このじいさんは、たしかあそこの○○だよ」とか、いろいろ考えてはくれたんだけど。「あずかってやろうか?」と言ってくれたので、渡してくればよかったなあ。

一応目的も果たしたので、「チャオ!」と言って店を出ると、スタジアムのフェンス前でJさんが何やら日本人らしき男の子と話し込んでいる。聞くところによると同じように一人旅中のS君で、各地の宿などの情報交換で盛り上がっているらしい。
ホテルやチケットを買ったいきさつなどをお互いに話していると、そこへカメラとマイクを肩にかけたさっきの「二人組」が近付いてきた。

あら、今日もテレビのお仕事なんだわ。さかんにS君に迫っている。
最初は「どっから来たの??」なんて感じだったらしいが、私がうっかり二人組に、あやしいイタリア語で「ねえ、ナカソング歌って!」と言ったのが、「彼は歌う!」という意味になってしまったみたいで、どうやら、「(日本の)ナカの応援歌を歌ってくれるのか!」と勘違いされてしまったらしい(汗)。

S君が「僕知らないです」とあわてていたので、みんなで加勢することにした。
「シュンスケ・ナカムラ〜〜」と声を張り上げるが、いまいち迫力が・・・(笑)。
あっさり終わったので、「もう終わりか??」

しょうがないので、「レッジーナの応援歌も歌えるよ!」と言うと「じゃ、歌え!」
ところが、これは私しか知らなかったので、マイクは私の目の前に、いや〜、ひとりじゃ盛り上がらないでしょう! でも、しかたがないので、以前、チャットでうにさんたちに教えてもらった歌詞を思い出しながら、「ノンネ、ウン ブラジリアーノ ペロー・・・」と一通り歌ったけど、ほんとはS君に元気に歌ってもらいたかったのよね。
お兄さんたち、ごめん。今度は練習しときます。でもね、私たちだってほんとはゴール裏で大声で歌いたかったのよ(涙)。



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